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 「人生100年時代」と言われる時代になりました。

日本人の平均寿命は2016年の統計では、男性が「80.98歳」、女性が「87.14歳」だそうです。

今後、医療や介護技術の発達などにより、平均寿命はさらに延びることが予想されます。

「生きる時間が長く」なれば、当然生きるために「必要なお金も増えて」きますよね。

特に、サラリーマンは定年退職を機に、収入をめぐる状況が大きく変化します。

サラリーマン以外の方も、だいたい60~70歳を境にリタイアする事が多いようです。

さてそれでは、その時が来るまでに気を付けておくべきことは何なんでしょうか?

今回は、リタイア後の人生を見越してやっておくべきことへの「基本的な考え方」を検討してみましょう。

 定年後に心配なこと

 日本は、2001~2006年の小泉内閣のときに、「二極化」を容認する社会構造にかじを切っています。

そもそも日本は、戦後、国民がみな中流になれる社会づくりを目指してきました。

「年金」「医療保険」「雇用保険」「生活保護」などの「セーフティーネット」を整備して、手厚くすることで格差を縮める社会を築こうとしてきたと言えます。

その結果「高度経済成長」「バブル景気」など、社会の中間層の人数が多くなることで経済的なボリュームを出し、好景気を作り出して、世界から「奇跡の復興」と呼ばれるほどの経済回復を遂げました。

ちなみに、第2次世界大戦後10年ほどの間に大戦での経済基盤の破壊を克服して、奇跡的な復興を成し遂げることができた国は「イギリス」「フランス」「ドイツ」「イタリア」などであり、中でも「ドイツ」は頭一つ分抜きんでています。

「日本」は「ドイツ」に匹敵する以上の復興を成し遂げたわけですが、その主役は「中流階級」でした。

それを、保護する政策をやめて二極化を容認したことで、日本もアメリカ型の社会構造に近くなり、企業業績や不動産価格などあらゆる分野で二極化が進みました。

2005年には、光文社から出版された「下流社会」という書籍がベストセラーとなり、「下流」という言葉が早くも広がっています。

その後、2015年になり「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」という書籍が出るに及んで、「下流老人」という造語も市民権を得たと言えます。

二極化は「個人の実生活レベル」でも進行していますが、もっと良くないのは「意識レベルでの格差」が広がり、それが「固定化」「身分制度化」することでしょう。

自分が「下流老人」にならないように、「できることを今のうちからしておく」ことが非常に重要です。

将来への準備が「できる人」と「できない人」の差は、老後の不安を現実のものとし、絶望的格差につながる可能性をいっきに高めます。

 資産運用についての考え方はどうあるべき?

 そうした不透明な老後を生き抜くには、「運用が可能な資産」や「運用の技術」を把握しておくことも大事になってきます。

インフレが起きると、「預金」よりも「資産運用」をした方が有利な状況になります。

預金の「利息」がほとんどつかず、インフレによる貨幣価値の下落で、貯蓄の金額はかわっていなくても価値が「目減り」するという現象が起きるからです。

「投資」にはさまざまな種類のものがありますが、老後の資産運用で「投資」に興味があるなら、まずは「小さい規模」で「資産運用」を体験しておくことがいいのではないでしょうか。

退職金や貯蓄を、リタイア後にいきなり大規模に動かして投資をすることは、リスクが大きすぎると考えて間違いないでしょう。

退職金をつぎ込んで、いきなり「投資デビュー」という話はよく聞きますが、損失を出して状況を悪化させるという話もよく耳にしますので、「資産運用をするなら必ず小額から始める」ことが失敗をしないための前提になるかもしれません。

「投資」については、「失敗しないこと」が「成功とイコール」と考えるくらいの慎重さはあってもいいと思います。

また、「投資」に興味があっても「向き不向き」ということも考慮する必要があります。

「投資」との相性は「本人の性格」でほぼ決まりますので、「すぐにアツくなる人」「短期間で大きな利益を求める人」「気になってしょうがない人」「損失に対する許容度が低い人」などは「投資」とは相性が悪いと考える方がよさそうです。

「投資」と相性が悪かったり「資産運用」が苦手であるなら無理にしなくてもよく、「預貯金」や「債権」などの元本保証があるものを中心にポートフォリオを組み立てていけばいいだけなので、あまり必要以上の心配はいりません。

 

 必要な手を打っておけば問題ない?

 大切なのは、未来の予測に一喜一憂する必要はあまりなく、「想定できる先行き」や「可能性のあるリスク」を把握したうえで、それを踏まえて「自分がどういう老後を送りたいか」を思い描くということでしょう。

それに対して「必要な手を打ち」「自分にできることをしておく」ということが、考え方の基本となります。

あくまで「やれることをやる」という、よい意味での「割り切り」は必要となってくるかもしれません。

近い将来起こるであろう「リタイヤ後の収入の縮小」に対応して、合理的に「支出の規模を減らす」ことができれば、よほど不運でない限り家計としては破綻することはないと考えられます。

直前まで収入いっぱいの生活を続け、リタイア後に急にこじんまりした生活に変化させることはかなり難しいでしょう。

それが、老後に必要なお金さえも「以前の生活レベルを維持する費用に食われる」結果をまねき、「貧乏老後」へ一直線ということになります。

50歳代は、「自分の生活の質を保ちながら、可能な限り合理的に支出の規模を小さくしていく」ことに余裕をもって手を付けられる、「最後の時間」という言い方もできそうです。

 まずは家計の現状を把握すること!

 そもそも、毎月いくらくらいあれば生活していけるのかを、把握することが大切です。

家計の実態を把握できれば、老後の生活環境を予想して対策が立てられます。

それには、まず「家計簿」をつけることがおススメ。

その際、あまり細かく分類を設定する必要はありません。

大切なのは「どんなくくりの費用」に「1か月どれくらい支出した」かを「総額」で捉えること。

それと「1か月の収入」および「1年を通した支出金額の推移」が把握できればいいでしょう。

ここで必要な考え方は「収入を多くする」ことよりも、支出を含めて見た「収支のプラスを多くする」ということだと思います。

年収1000万を稼ぐ人が、生活費・教育費・遊興費などの支出がかさみ、貯蓄がほとんどできていないという例も耳にすることがあります。

1000万プレイヤーなら問題ないと考えるかもしれませんが、いくら「収入」が多くても「収支」が赤字なら「金持ち老後」とはほど遠い状況に陥る可能性が高くなります。

どうしても必要な生活資金以外は「すべて貯蓄に回っている」ことが、「金持ち老後への道」になると言えそうです。

減らすと効果が高いのが、どちらかというと「変動費」よりも、毎月決まって発生する「固定費」であることは覚えておいてください。

「固定費」と言えば、現在加入している「保険」の棚卸をして「見直し」しておくことも大事でしょう。

タイミングとしては、「子供のいる家庭」は子供が自立した時点で見直し、「子供のいない家庭」もしくは「おひとりさま」は40代のうちに行なっておくのが基本。

「保険」は、「めったに起こらないが、いつ起こるか予想できず、もし起こったら自分の資産では対応不可能」なものに掛けるべきなので、遅くとも50歳前後には「保険」の見直しをし、必要があれば再構成すべきと考えていいと思います。

 

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